浅野川上流に掛る「梅の橋」。歩行者用の橋で、大橋を挟んで反対側にあるのが「中の橋」。況やその姿がまるで瓜二つ同然で。ともすれば姉妹の様だと盃を片手に呟く御仁も。つい先日まで東茶屋街に通う旦那衆のルートだったとか。時に頬を桜色にして恋心を囁く初々しい半玉さん、艶っぽい流し目が似合う芸妓さんが蝶が舞う様に歩いて居たんじゃないかと。

いつかの宴席にオマケで同席させて頂いた際、姐芸妓と妹芸妓の帯が「同柄の色違い」というハプニングがあったのです。花柳界で姐さん芸妓と同柄の着物で舞う事は御法度の一つ。「姐さんすんまへん！すぐ着替えて来まっさかい」と慌てる妹芸妓に「構へん、今日は〇〇ちゃんとお揃いやしぃ♪」と笑って場を和ませてしまった芸妓さんがいらした。同性でも惚れ惚れしてしまう気風の良い芸妓さんでした。

梅の橋と中の橋は、浅野川大橋を挟んで「両手に花」。そんな浪漫を胸に花街近辺を散策してみては如何でしょう？艶やかな華を拝めるかも知れません。