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人間の手
2025/06/05
百万石祭り。華やかなパレードの内側は「汗と涙」の集大成。それが大輪の華を咲かせたのが「パレード」だと、実際に3度出場した私だからこそ断言する。

遥か昔、女子20数名で先陣を切りました。10代の総てが愛おしく輝いていたあの頃。同時に未知の世界や大人社会への恐怖心や憧れで混沌とした「カオス」の時節。「先頭だからね。一番目立つから!最後までしっかり!」と団長であるメジャーの一喝。隊を束ねる先輩メジャーは当時の陸上部の部長。怖い存在だったけど多人数をまとめる人間にはカリスマ性と「他者からの悪意をスルー」出来るスキルも必要だと、3年間の陸上部生活で子供ながらに学びを得た。20名全員が陸上部員だったが炎天下の中の約3時間の行進はやはりキツイ。段々と隊列は乱れ「掛け声」も小さくなる。足を引きずり出す者、隊列からリタイヤするメンバーも居た。先輩メジャーですらバトンを地面に落とす様になる頃、私の隣のメンバーがついに座り込んだ。置いていくはずだった。周りのサポーターは救助してくれるし心配ない。ところが次は私の脚が動かない。見ると彼女が道路に横たわりながら、私のスカートの裾を掴んでいたのだ。「置いてかないで…」涙目で訴えて来るが彼女に楽器を持つ余力は無い。「離せ!」部長も周りの仲間も私に叫ぶ。意地悪なんかじゃありません。皆、暑さで体力気力ギリギリ。私は彼女の肩を掴み上げて自分の肩によし掛らせた。小太鼓担当だったが左手が塞がりバチは当然ながら右手片方しか使えない。肩はちぎれそう、脚は痛い、暑いし喉は痛いし当然「手も腕も」ちぎれそう。…何で背負ってしまったんだろう。ほんの一瞬、いやパレードの後半ずっと自分の愚かさを心底悔やみ泣きながら歩いた。終着の小学校校門に入り、ようやく全員が楽器を降ろした。私の肩を借りて歩き続けた彼女はそのまま病院へ搬送された。その時、真っ先に父が走ってきた。「…お前を誇りに思う」。人間の生死と関わる職に就いていた父は常時不在がちで、深夜でも電話の音と共に飛び起きて仕事に消えていく人間だった。父は私の両手を強く握ると再び公用車に乗り込んで去って行った。

世の中の誰しもが他人の命に慈しみを持つとは言えない。だけど自分が混沌と絶望に飲まれそうな時、先の彼女の様に諦めずに「手」を伸ばすことを諦めてはならない。私はそれを彼女に「教わった」のだ。華やかなパレードの中で…。